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建設業社会貢献活動事例集 | 一般社団法人 全国建設業協会

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Academic year: 2018

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3.社会貢献活動の事例 ― 功労者表彰受賞者の活動事例から抜粋 ―

3.1 代表的な活動事例

ここでは、平成 29 年度に顕彰した活動事例のうち、代表的なものとして「建設業

社会貢献活動推進月間中央行事」で事例発表された次の 3 事例を紹介します。

№ 都道府県 協会・支部・企業名等 活動内容 A1-03 熊本県 熊本県建設業協会熊本支

部・阿蘇支部・上益城支部・ 玉名支部・荒尾支部

熊本地震災害の復旧と鳥インフルエンザ防 疫活動

B2-02 静岡県 (株)山田 キャンプ場の再生による地域活性化 B3-10 愛知県 (株)加藤建設 ビオトープ管理士の育成と環境保全活動

(1)熊本地震災害の復旧と鳥インフルエンザ防疫活動

(熊本県建設業協会熊本支部・阿蘇支部・上益城支部・玉名支部・荒尾支部)

事例 A1-03:熊本県

熊本地震災害の復旧と鳥インフルエンザ防疫活動

(熊本県建設業協会熊本支部・阿蘇支部・上益城支部・玉名支部・荒尾支部)

平成 28 年の熊本県は、4 月の熊本地震、6 月の記録的大雨、10 月の阿蘇中岳の爆発的噴 火、さらに 12 月には高病原性鳥インフルエンザの発生と、多くの自然災害に見舞われた。

熊本県建設業協会では、こうした災害に対してそれぞれの被災地域の支部が復旧に尽力 した。特に、熊本地震と鳥インフルエンザの発生時には、複数の支部が連携し、組織的に 対応することで、迅速な復旧を図った。

■熊本地震の発生

平成 28 年 4 月 14 日に発生した熊本地震 は、二度にわたる震度 7 の揺れと、度重なる 余震で、熊本県に甚大な被害をもたらした。

住宅被害は約 186,000 棟(全壊 8,657 棟、 半壊 34,083 棟)に上り、最大 18 万人が避難 所での生活を強いられた。停電約 45 万戸、 断水約 46 万戸、ガス供給停止約 10 万戸など ライフラインの被害も広範囲に及んだ。

インフラ被害も大きく、被災中心域の道路 では、陥没・ひび割れ、家屋や電柱の倒れ込 み、マンホールの浮き、橋梁との段差などが 多発し、車両通行ができない状態となった。 また、国道 57 号線や阿蘇大橋などの幹線道 路も寸断され、周辺地域からの応援車両の進 入も困難であった。

このような状況から、発災直後の 14 日に 県内全 45 市町村に災害救助法が適用され、4 月 25 日に激甚災害、4 月 28 日には特定非常

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■熊本地震災害の復旧活動

4 月 14 日、震度 7 の地震(前震)直後より、被災中心域の熊本支部、阿蘇支部、上益城 支部には、行政機関からの支援要請が次々と入り、何の準備もないまま対応に追われるこ とになった。3 支部では、支部長及び役員が支部に常駐して、対応可能な会員企業への出動 依頼、応急復旧箇所の割振りに専念した。

3 支部の応急復旧活動は、まずは消防、警察、自衛隊が通過できる道を開ける道路啓開か らスタートしたが、出動依頼を受けた会員企業では、社員にも被災者が多く初動時の人員 が揃わないため、数社で編成した選抜部隊(班)が行けるところに行く態勢で臨んだ。

4 月 16 日、追い打ちを掛けるように震度 7 の本震が発生して、被害が甚大化、広域化す るとともに、それまで対応した応急復旧箇所もほとんどがやり直しとなってしまった。

そうした中で会員企業は、早期復旧に向けて、次のような多岐に亘る活動を展開した。 ・道路、河川、海岸等の被害調査と報告

・救助活動用の投光器、重機等の提供 ・道路啓開(道を塞ぐ倒壊家屋の解体含む) ・応急復旧(道路陥没等の補修、橋梁取付け

部及びマンホールの段差補修・摺付け等) ・応急危険度判定士の派遣

・災害ガレキの撤去 ・通行規制看板の設置

・給水所へのタンク運搬と給水活動 ・被災者支援物資の緊急輸送

道路応急復旧(県道 229 号線) 道路応急復旧(益城町)

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被災中心域となった 3 支部(熊本支部、阿蘇支部、上益城支部)の復旧活動における要 請箇所、活動人員、投入重機等の数は次の通りである。

要請箇所:10,310 箇所(県全域 15,871 箇所) 活動人員:延べ 52,858 人(県全域 64,542 人) 投入重機等:延べ 28,350 台(県全域 35,369 台)

今後は、通常では考えられない大規模災害を想定しなければならない。同協会及び支部 は、大規模災害時は受発注者ともにマンパワー不足に陥ること、被災中心域は全ての活動 が麻痺するため他地域からの応援が必須であること、災害対応には指揮系統が重要である ことなど、今回の復旧活動で得られた教訓を生かして、準備を進めたいと考えている。

■鳥インフルエンザ防疫活動

平成 28 年 12 月 26 日、熊本県南関町で H5N6 亜型鳥インフルエンザの発生が確認され、 県は同日夜、管内の玉名支部、荒尾支部に、防疫協定に基づく協力要請を発出した。

連絡を受けた両支部は、直ちに支部対策本部を立ち上げて現地調査を行い、夜半より、 重機を搬入して、埋却溝の掘削を開始した。一部の埋却溝は鶏舎解体後にその場を掘削す るという労力のかかる作業となったが、28 日早朝には 4 つの埋却溝の掘削が完了し、同日 午後 1 時、処分鶏約 10 万羽の埋却が完了した。また、並行して設置した消毒ポイントでは、 その後も 24 時間体制で消毒活動を継続し、早期終息に貢献した。

今回、年末かつ熊本地震の復旧活動の最中、緊急要請に迅速に応えることができた要因 は、会員各社の協力とともに、県と合同で毎年実施していた防疫演習の成果ともいえる。 同協会各支部は、建設業にしかできない「地域を護る」活動を今後も続けるとしている。

処分鶏の埋却 消毒用石灰散布

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(2)キャンプ場の再生による地域活性化((株)山田)

事例 B2-02:静岡県

キャンプ場の再生による地域活性化((株)山田)

(株)山田は、地元掛川市の中山間地域の活性化を図るため、平成 27 年より、経営難で閉 鎖したキャンプ場の再生に取り組んでいる。

掛川市の最北端にある明ヶ島キャンプ場 は、昭和 53 年に市が整備し、地元が管理運 営していたが、過疎化に加えて、経営を支え ていた隣接するアマゴ養殖場が、平成 25 年 の台風被害で閉鎖されたことで、経営が困難 となり、平成 26 年には閉鎖に至った。それ 以降、手付かずのまま放置されて荒廃が進 み、不法侵入者や不法投棄も増えるなど、地 域にとって悩ましい場所となっていた。

当時、キャンプ場周辺で災害復旧工事に携 わっていた同社は、地元住民から相談を受け て、市に確認したところ、再開を目指しては いるが、荒廃した現地の整備費用の問題や立 地の悪さ(携帯電話が繋がらない)等で、管 理者が決まらないとのことであった。

同社としても、このキャンプ場を何とかし たい、自分たちが生まれ育った地域の良さや 自然の大切さを人々に伝えたいという思い があり、社内で検討を重ねた結果、地元に少 しでも貢献できるならという気持ちで再整 備と管理運営を引き受けることを決意した。

平成 27 年 7 月、同社は、掛川市及び地権 者と無償貸与による管理人契約を締結し、敷 地内と周辺道路の除草、伐採及びゴミの処分 に着手した。また、吊り橋、コテージ、トイ レの老朽化部分を修繕し、管理棟については 内装を全面改修した。

放置されたキャンプ場管理棟と水場

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管理棟内装改修前 管理棟内装改修後

その後、アウトドアの専門家の協力を得て、このキャンプ場の運営方針を検討した。 その結果、携帯電話も繋がらない不便さを、日常の喧騒から離れられる強みと捉えて、 「STUDY TO BE QUIET 穏やかなる事を学ぶ」をテーマに設定し、再整備に取り掛かった。 平成 28 年度は、掛川産の間伐材を用いたウッドデッキサイト 2 か所の増設、テントサイ ト 6 か所、コテージ 3 か所へのウッドデッキ設置、ドッグランの整備など、キャンパーが ゆったりと時間を過ごせる空間を整備した。

ウッドデッキサイトの増設 コテージのウッドデッキ設置

平成 29 年 4 月、正式オープンを迎え、新聞やテレビ、アウトドア雑誌で取り上げられた こともあって、5 月の大型連休は県内外からの予約でキャンセル待ち状態となった。また、 同社の従業員が頻繁に出入りするため、不法侵入者や不法投棄もなくなった。

今後の計画としては、自然災害を想定した パトロール体制の整備、サバイバル技術の啓 発と体験学習の実施、周辺河川の漁協と連携 したフライフィッシングエリアの整備、アマ ゴ養殖場の復活と小学生の放流体験、子供食 堂(子供やお年寄りのための福祉施設)への アマゴの提供などを予定している。

同社は、これからも建設業で培ったノウハ ウを活かして地域貢献できることがあれば、 積極的にチャレンジしたいと考えている。

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(3)ビオトープ管理士の育成と環境保全活動((株)加藤建設)

事例 B3-10:愛知県

ビオトープ管理士の育成と環境保全活動((株)加藤建設)

(株)加藤建設は、社員の自然環境に対する意識改革を図る目的で、平成 23 年より「ビオ トープ管理士」の育成を進めるとともに、環境保全活動に積極的に取り組んでいる。

建設業による道路、橋、堤防などの社会基盤整備事業は、人々の暮らしを豊かにする一

方で、自然破壊のイメージで捉えられることも少なくない。同社は、“人と自然の共存”に

向けた建設業ならではの自然環境への配慮が必要と考え、それができる“環境人材”の育 成を目指すこととし、その第一歩として、ビオトープ管理士の資格取得体制を整えた。

ビオトープ管理士は、(公財)日本生態系協会が認証する資格で、自然や歴史、文化など 貴重な財産と、国際的な動向を踏まえたまちづくりを実践できる技術者とされている。

同協会から招いた講師による特別対策セ ミナーをはじめ、自然観察公園での各種体験 プログラム、自然再生事業地でのグリーンイ ンフラ勉強会、環境調査や森林再生手法の研 修、人工水園での観察会や生き物探し体験な どを通じて、社員たちは生態学や環境の多様 性を学んだ。

その結果、平成 28 年度には、社員の半数 近く(130 人)がビオトープ管理士の資格を 取得するに至った。

自然観察(北本自然観察公園) 苗木の植樹体験(森の墓苑)

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ビオトープ管理士の社員が増えたことで、環境に配慮した工事が行われるようになった。

環境配慮事例①:水生生物保護

用水路改修工事では、古くなった水路の取壊し前に、そこに生息している水生生物を保 護し、安全な場所へ誘導(放流)した。また、水路内に生息していた外来生物は駆除し、 本来の生態系の保全に努めた。

水生生物の保護 保護された水生生物の同定

環境配慮事例②:希少種の生息環境保全

三重県の地盤改良工事では、県の天然記念物に指定されるヒメタイコウチの生息を確認 し、当初設計の全面改良から、土壌の透水性を確保できるくし型改良に設計変更すること で、湿地を好むヒメタイコウチの生息環境を保全した。

ヒメタイコウチの調査 生息環境保全のための設計変更提案

同社は、環境意識の高まりとともに、地域 への様々な働き掛けも行うようになった。

名古屋市の「庄内川・新川クリーン大作戦」 では、環境教育の一環として、河川敷の植生 と外来種についてレクチャーを行った。ま た、なごや環境大学の教育講座では、児童た ちが自然や生き物と触れ合う機会を提供し ている。

同社は、魅力ある建設業を目指して、今後 も環境保全活動を継続したいと考えている。

参照

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